いまだからこそ、わかること

本当に、目まぐるしい1年だった。

 

 

思えば、2016年あたりからずっとそんなことを言っていたような気がするけど、デビューしてからのこの1年は、ジャニーズJr.だった頃とは比べ物にならないほど、とにかく目まぐるしかった。

紫耀くんは「周りにいる大人の数が尋常じゃなく増えた」と言っていたけれど、そう言われるのも納得するくらい紫耀くんはこの1年ずっと目まぐるしく働いていたし、そしてそれに比例して彼を取り巻く世界も目まぐるしく変化していった。

 

紫耀くんはきっとこれまでと同じように、それかこれまで以上のスピードと集中力で目の前のお仕事を淡々とこなしていた。並大抵の努力では達成しきれないほどのことを、まるで当たり前のことを成し遂げるみたいに、ごく淡々と。坂道で立ち止まって見える景色を眺めることなく、ぐんぐん上へ駆け上っていった。

 

特に紫耀くんが「人生で1番忙しかった」とのちに語っていた2〜6月にかけては、ドラマ「花のち晴れ」の撮影と映画「honey」の宣伝、音楽番組の出演、First Concertのリハーサル、雑誌・バラエティー番組の撮影、ドキュメンタリー番組の密着。その全貌をすべて把握したのはもっと後のことだったけれど、そのすべてが同時進行で進められていたことや、普通では考えられないほどの仕事を与えられていたことに正直戸惑った。それ以降も次々と来るバラエティー番組のゲスト出演や雑誌の掲載のお知らせに、恐怖さえも覚えてしまっていた。それでも紫耀くんからは、全てのお仕事にとても真摯に向き合っているのがすごく伝わってきたし、与えられた今の状況が当たり前のことではないことに常に感謝して、弱音を吐くことだって一度もなかった。

 

 

 

紫耀くんがまだジャニーズJr.で、Mr.KINGだった頃。最年少初座長、初のCM出演、主演映画2作の出演決定。ジャニーズJr.として、輝かしい功績をたくさん残した。

でもずっと苦しかった。紫耀くんに新しいお仕事が決まる度に、胸の底の黒い塊が鉛のように重さを増していって、心が詰まるような息苦しさを感じていた。贅沢な悩みだってことは十分わかっていたし、紫耀くんに対しても、そして紫耀くんの周りで頑張っているいろんな人たちにも失礼なことはわかっていた。でも、紫耀くんが魂を削って、体をボロボロにしてまでも頑張っているのに、「ジャニーズJr.」という肩書きが外れることはなく、目指す光が一向に見えないことがずっと悲しかった。紫耀くんが頑張ってくれているなら何か結果を残してあげたかったし、周囲の期待に応えなければと、ファンとしてできる限りのことはたくさんしていたつもりだった。そして今度こそは、と節目を迎える度に期待して、落胆する日々を繰り返した。

そんな中でも、紫耀くんはいつも変わらない笑顔を見せてくれたし、堂々とした姿しか見せなかった。紫耀くんだって苦しくて辛いはずなのに、弱音を絶対に吐かずに冷たく強い風に真正面からさらされながらも、後ろについていくわたしたちに、決して揺らぐことのないたくましい背中を見せてくれていたし、常に堂々として、そしてゆるく微笑んで、いつでも優しく手を差しのべてくれていた。

 

 

 

 

そして、2018年1月17日。

紫耀くんが、自らその閉鎖された世界を壊そうと決心していたことを知った。とんでもない野心と覚悟をもって、自分が最も信頼できる仲間を引き連れて新しい世界へ飛び出していくことを。そしてその夢が実現されたのと同じタイミングで、「僕が主犯です」と紫耀くんが自ら発言したことを知った。

その時から、周囲の人たちの紫耀くんに対する目は明らかに変わっていった。それまでは「ジャニーズJr.」として一括りではあったしユニットも存在していたけれど、いつどうなるかわからない個人戦だった時代が終わりを迎えた。「ライバル」だと思っていた人たちが、未来を共にする「仲間」になって、紫耀くんを誇らしく思ってくれるようになった。

 

多くの人が感謝し祝福してくれる中で、わたしはそのことがなぜかずっと悲しかった。紫耀くんが自分を傷つけるような言葉で、まるですべての責任を負うみたいにして言った言葉で、あらゆる人を救おうとしたことが、どうしようもなく悲しかった。世界で一番幸せになってほしいと願った人が、何か一番大切なものを犠牲にしているのではないかと勝手に想像したりした。もしかして紫耀くんにとって「本当に叶えたい夢」を叶えることは、この先ずっと、紫耀くんに重い十字架を背負わせてしまうことなのではないかと。

 

その一方で、時間が経つにつれて、今までずっと感じていた閉塞感とか息苦しさとか、あの鉛のように重苦しく胸に沈殿していた黒い塊は、ぽろぽろと崩れ去って綺麗に昇華していった。その1番の要因は、紫耀くんの表情がまるで憑き物が取れたかのように晴れやかになり、笑顔が見違えるほど増えたことにある。

デビュー発表会見の場で隣に立つ岸くんの言葉に笑い崩れた紫耀くんのあの時の表情を、わたしは一生忘れることはないと思う。あの小さなお顔にしわがたくさん入るくしゃくしゃの笑顔を、雑誌ではなくテレビの画面越しに見れたのは、本当に数年振りのことだった。それくらい、何かを背負うようになった紫耀くんはいつも笑顔の裏に張り詰めた緊張感を携えていたように思う。

 

そして、紫耀くんは本当にあらゆる場所や人々の心に「爪痕」を残してくれた。そしてそれらが話題に話題を呼んで、世間にその波紋をどんどん広げていった。今まで「平野紫耀」という名前の読み方すら知らなかった人たちが、紫耀くんの顔を覚え、声を聞き、歌を聴き、言葉を聞いてくれた。いつも見ていた番組に紫耀くんが出演して、共演者の方にたくさん褒められたり驚かれたりしている世界が、不思議で仕方なかった。そして紫耀くんが入り口となって、King & Princeのことを知ってくれる人が増え、紫耀くんのことを認めてくれる人も増えた。そこでわたし自身もやっと「仲間」のこともちゃんと考えることができるようになった。

 

 

King & Prince First Concert Tour 2018。

1年半ほど前に同じ横浜アリーナという舞台に、今にも儚く壊れそうな光を放っていた人物とは思えないほど、紫耀くんはすごく軽やかに煌めいていた。こんなに心の底から楽しそうな紫耀くんを見たのは初めてと言っても過言ではないと思う。全力でステージを駆け回り、笑顔と幸せを振りまく紫耀くんのことをとてつもなく愛おしく思った。そして、自分が参加できた公演が終わったあとも、各公演のMCやED挨拶のレポを読んでは泣いた。

だって、ずっとこんな未来があればいいなと思っていた瞬間が、こんなにも早く訪れるなんて思っていなかった。紫耀くんが大好きな人たちと楽しそうに笑いあって、ファンに向けて温かくて優しい、重すぎるくらいに愛に溢れた言葉をかけてくれることが、いつか醒めてしまうかもしれない夢のように信じられなかった。そして、紫耀くんをまだこの先もずっと応援できることを約束されていることが、本当に心の底からうれしかった。

 

 

そしてつい先日千穐楽を迎えたJOHNNYS' King & Prince IsLAND。

それまでの紫耀くんは2016年に初座長を務めたJOHNNYS' Future Worldからずっと、IsLANDシリーズの中心的存在だった。IsLANDシリーズになってからというもの「ジャニーズJr.全員が主役」という名目のもと、紫耀くんが実質的な座長だった。フライングの数も習得するべき技もセリフの量も、ほかのJr.と桁違いに多かった。公演の内容もシリーズを重ねるごとにより現実味が増していき、フィクションとノンフィクションを織り交ぜたようなセリフや展開が多くなった。帝国劇場の0番に立つ者の責任からか、紫耀くんの表情から笑顔が消えていった。

 

そんな経緯を経て、King & Princeとしてデビュー後初の帝国劇場での座長公演。その内容の明るさにとても驚いた。そしてこれまで紫耀くんが1人ですべてこなしていた役割が、少しずつ後輩に継承され、King & Princeのメンバー内にも分け与えられていたことにも、時代の移ろいを感じた。そこで改めて紫耀くんの舞台上での表情の豊かさを目の当たりにして、これまで紫耀くんが背負ってきたものの果てしない大きさと重さを知った。

 

 

 

(本当の夢を叶えたいと考えたとき)1人よりも3人の方がいいし、3人よりも6人の方がいい。6人が仲よくてやりやすいから、ということじゃなく、遠い将来のことも含めて、安心して長続きできるようなグループ、と考えたら、みんな、この6人だと確信したんです。(平野紫耀の天然生活 vol.9)

 

 

今なら、この言葉の意味と重みを理解できる。

決して仲良しこよしでこの未来を選んだわけじゃない。みんなで人生を預けあって、より多くの人を幸せに導くために、紫耀くんはこの道を進むことを決めたんだろう。いつまでも自分のエゴに縋り付いて勝手に悲しくなっていたわたしより、紫耀くんは確実に大人だった。そして彼らの絆はいつのまにか、わたしたちが知っていたよりもおそらく確実に強固なものになっていた。

紫耀くんは守りたがり屋さんだから、きっとこの先もすべてを語ってくれることはないと思う。何か大切なものを守るために、一生、優しい嘘をつき続けることができてしまう人だと思う。だからこそ、わたしは紫耀くんが見せてくれる限りの「平野紫耀」のありのままにずっと騙され続けていたい。

 

紫耀くんも、他のメンバーも、いろんなグループやユニットを経て、未来への約束を誓った仲間たちと出会いと別れを繰り返してきた。それは決して色褪せることのない思い出であることに変わりはないし、いつまでもわたしの心の中からも消えることはない。

それに、過去を振り返ることはいつだってできるけど、目の前の何かを乗り越えることや、今周りに広がっている景色を見ることは、ほんの一瞬の「今」しかできない。

 

 

 

いつ、明日が来なくなるかもわからないから、思い立ったらすぐ行動したい!究極、いつ死んでも後悔はないって思えるくらい、常に楽しい人生を送りたい!(平野紫耀の天然生活 vol.17)

 

 

 

 

苦しくてどうしようもないことも、幸せを噛み締めることも、そして前に進み続けることも、ぜんぶ。人生で生きていく上で大切なことも、ぜんぶ紫耀くんに教えてもらった。紫耀くんに出会わなければ絶対に知らなかった気持ちや経験も、そして大切な友達もたくさんできた。「ありがとう」や「大好き」では伝えきれない想いが本当にたくさんありすぎて、言葉にすることすらできない。

 

 

21歳の紫耀くん、本当にお疲れさまでした。

そして22歳の紫耀くん、これからよろしくね。紫耀くんの笑顔がひとつでもたくさん見れるような、幸せでハッピーな1年となりますように。

 

世界で1番愛おしくて大切なあなたへ。

誕生日おめでとう。そして、生まれてきてくれて、アイドルでいてくれてありがとう。ずっとずっと応援しています。

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